トミー・タレンタインは弟のスタンリー・タレンタインと同様ボスティク
楽団を経験後、チャーリー・ミンガスのグループにいた事もある。
この時は、弟と共にマックス・ローチのコンボのレギュラーを勤めていた。
このときの演奏は『パリジャン・スケッチズ』等で聴く事ができる。
そのメンバーにアーシーな魅力を放つホレス・パーランを加えて
録音したのが本アルバムだ。
巧みな曲作りと会い待ったブルース・フィーリングの出し方が実にうまい。
兄弟そろって初リーダー作はタイムで作ったが、その後、弟がブルーノートで
続々アルバムを作っていくのに反し、兄貴はこの1枚で終わった。
しかし曲でも演奏でも最大限に弟に協力したジャズ界きっての名オニイチャンだった。
弟の『Comimg Your way』『Jubilee Shout』がお蔵入りしなかったら
もっと人気が出ただろう。
ブルーノート盤ではホレス・パーランの名盤『On The Spur Of The Moment』も忘れ難い。
ソニー・クラークの最終リーダー盤『リーピン・アンド・ローピン』に
花を添えたのもこの人だった。
ジャッキー・マクリーンの『A Fickle Sonance』でも、ソニー・クラークと
トミー・タレンタインは名コンビだった。
ソニー・クラークが亡くなったあと、トミー・タレンタインは影が薄くなっていった様子だ。
トミー・タレンタイン/トミー・タレンタイン
テナーマン ジャズアルバム紹介 に加筆・修正を加え転載。
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